避妊インプラント Contraceptive-implant

避妊インプラント(皮下インプラント・ネクスプラノン)上野駅前婦人科クリニック

女性主体で行える避妊法にはさまざまな種類がありますが、ピル以外の避妊法として注目されているのが「避妊インプラント(皮下インプラント)」です。日本ではまだ承認されていませんが、アメリカやヨーロッパなど100カ国以上で使用されており、WHOでもその効果が認められています。この記事では、避妊インプラントの仕組みや効果、費用についてくわしく解説します。

上野駅前婦人科クリニックの皮下インプラントは、18~40歳の方を対象に実施しています。ご検討中の方はこちらからご予約ください。

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上野駅前婦人科クリニック 院長 
杉浦由紀子

2011年東海大学医学部医学科卒業。日本産科婦人科学会専門医として、都立病院の産婦人科やレディースクリニックの経験を経て、2023年6月16日に上野駅前婦人科クリニックを新規開院。

目次

避妊インプラント(皮下インプラント)とは?インプラノンとの違い

避妊インプラントとは?

避妊インプラント(皮下インプラント)は皮下に埋め込む避妊具で、一度挿入すると3年間(※1)もの間、99%の高い避妊効果を得られる“長期作用型可逆的避妊法(LARC)”です。

インプラントにはプロゲスチン(プロゲステロン=黄体ホルモン)が含まれており、3年かけてゆっくりと体内に放出され、体内のホルモンバランス変化を起こして避妊効果を発揮します。エストロゲンが含まれていないため、体質などによってピルが服用できない方も使うことができます。

※1.肥満症の場合は、インプラントの避妊効果持続期間が短くなる場合があります。体重が80kg以上の方は、診察時に医師にご相談ください。

インプラノンは避妊インプラントの製品名です

“インプラノン”は、複数ある避妊インプラント(皮下インプラント)製品の中の1つです。インプラノンは正しい位置への挿入が難しく、2011年には挿入していた女性の内数%の方が妊娠してしまう例もありました。それを受けて、製造元であるMSDは、“ネクスプラノン”と呼ばれるアップグレード版のインプラントを発売しています。

ネクスプラノンはインプラノンと異なり、X線とCTスキャンで挿入位置が特定できるほか、挿入のために使う器具も、より正しい位置に挿入しやすいよう改良されています。

上野駅前婦人科クリニックはネクスプラノン(NEXPLANON)を取扱い

安全性の高いネクスプラノン

避妊インプラント(皮下インプラント)にはさまざまな種類があり、製品によって効果が持続する年数や、入れるインプラントの数が異なることをご存じでしたか?

上野駅前婦人科クリニックでは、安全性の高いネクスプラノン(NEXPLANON)を使用しています。ネクスプラノンは、1本のインプラントを皮下に埋め込むことで、3年間99%の高い避妊効果が持続します。

日本の厚生労働省に似た役割を持つ、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)でも、避妊のための効果が認められています。

避妊インプラントの仕組み

避妊インプラント(皮下インプラント)に含まれるプロゲスチン(プロゲステロン)によって、妊娠を促す黄体形成ホルモン(LH)の分泌が抑えられるため、一時的に妊娠しない身体が作られます。

具体的には、子宮頸部粘液の粘度を高めて精子の侵入を妨げるほか、排卵を抑制して長期間の避妊効果を発揮します。皮下インプラントを取り出すと体内のホルモンバランスは1カ月以内に元に戻るため、挿入によって不妊になりやすくなる可能性はありません。

ミレーナと皮下インプラントの違い

ピル以外の避妊方法として多く知られているのは、子宮内に装着する「ミレーナ(避妊リング)」ではないでしょうか?

ここでは、ミレーナと避妊インプラント(皮下インプラント)との違いを比較しています。また、ミレーナについてくわしく知りたい方は、こちらもご参照ください。

ミレーナ 避妊(皮下)インプラント
挿入場所

子宮内

二の腕(上腕三頭筋上)の皮下

含まれるホルモン

レボノルゲストレル

エトノゲストレル

効果持続期間

最長5年

最長3年

効果

避妊・過多月経・月経困難症

避妊

皮下インプラントの有効成分であるエトノゲストレルは、プロゲスチン(人工的に合成された黄体ホルモン)です。プロゲスチンは、子宮内膜が厚くなるのを抑制するため、子宮内膜症や月経困難症(月経痛、腰痛、過多月経)の治療にも用いられます。

ミレーナ

挿入場所

子宮内

含まれるホルモン

レボノルゲストレル

効果持続期間

最長5年

効果

避妊・過多月経・月経困難症

避妊(皮下)インプラント

挿入場所

二の腕(上腕三頭筋上)の皮下

含まれるホルモン

エトノゲストレル

効果持続期間

最長3年

効果

避妊

皮下インプラントの有効成分であるエトノゲストレルは、プロゲスチン(人工的に合成された黄体ホルモン)です。プロゲスチンは、子宮内膜が厚くなるのを抑制するため、子宮内膜症や月経困難症(月経痛、腰痛、過多月経)の治療にも用いられます。

避妊インプラントで得られる効果やメリット5つ

避妊インプラントで得られる効果やメリット5つ
  • 1.99%以上の高い避妊効果が最長3年間持続
  • 2.低用量ピルが服用できない人も使用可能
  • 3.プロゲスチンの効果が期待できる
  • 4.経口避妊薬(ピル)のように毎日飲む手間がない
  • 5.今後の妊娠に影響を与えない

避妊インプラント(皮下インプラント)は、その多くのメリットから世界各国で使用されています。以下では、効果・メリットについてくわしく解説します。

1.99%以上の高い避妊効果が最長3年間持続

皮下インプラントの大きなメリットは、高い避妊効果が3年もの間持続する点です。正しい位置に挿入されていれば、途中でメンテナンスなどを行う必要がないため、数カ月ごとにクリニックに足を運ぶことが難しい方にも多く選ばれています。

2.低用量ピルが服用できない人も使用可能

低用量ピルには、プロゲステロン(黄体ホルモン)のほかにエストロゲン(卵胞ホルモン)という2つの女性ホルモンが含まれています。 エストロゲンには血栓症のリスクがあるため、肥満症の方や喫煙者の方などは、低用量ピルの服用ができませんでした。しかし、皮下インプラントにはプロゲスチン(プロゲステロン)しか含まれておらず、血栓症のリスクが低いため、低用量ピルの服用が難しい方も使用が可能です。

3.プロゲスチンの効果が期待できる

避妊インプラント(皮下インプラント)の有効成分「エトノゲストレル」は、人工的に合成された黄体ホルモンである「プロゲスチン」です。プロゲスチン製剤には、月経困難症・子宮内膜症を緩和・改善する効果が認められています。

避妊インプラントは、日本国内未承認ではあるものの、多くの国や地域で、効果と安全性が確認されており、プロゲスチン製剤が持つ避妊以外の多くの好ましい効果も、期待できるといえるでしょう。ただし、インプラント挿入から数カ月間は、ホルモンバランスの変化によって不正出血や月経日数の変動が起こりやすいため、注意が必要です。

参考:厚生労働省|参考資料4:緊急避妊薬に関する海外実態調査報告書 P.56、P.92、P.128など

4.経口避妊薬(ピル)のように毎日飲む手間がない

低用量ピルやミニピルは、1日1錠を正しく飲み続けなければ、避妊効果や月経トラブルの改善が期待できません。皮下インプラントは、一度挿入すれば、3年間避妊効果が持続するため、うっかり薬剤を飲み忘れてしまった、というリスクがありません。

5.今後の妊娠に影響を与えない

低用量ピルやミレーナ同様、皮下インプラントも使用によって不妊になるリスクはありません。皮下インプラントの避妊効果は挿入している最中にのみ持続し、除去後はおおよそ1カ月で身体が元のサイクルに戻ります。

避妊インプラントの副作用やデメリット6つ

避妊インプラントの副作用やデメリット6つ
  • 1.一時的な不正出血、頭痛、胸の張り
  • 2.皮膚切開をともなう
  • 3.性感染症予防の効果がない
  • 4.保険が適応されず費用が高い
  • 5.体重増加のリスクがある
  • 6.一時的なニキビの悪化

避妊インプラント(皮下インプラント)の副作用やデメリットを事前に知ることで、より安全・安心に使用ができます。以下では、6つのデメリットについて詳しく解説します。

1.一時的な不正出血、頭痛、胸の張り

皮下インプラントの副作用として多く挙げられるのは、月経周期の変化や不正出血です。また、頭痛や乳房の張り、気分の変動、吐き気、めまいなども認められていますが、いずれも一時的なもので、身体がホルモンバランスの変化に慣れるにしたがって軽減します。

2.皮膚切開をともなう

皮下インプラントは、専用の挿入器具を用いて、一瞬で皮下に埋め込みを行います。挿入時は小さな針穴と、周辺に内出血が発生する場合があります。除去時は、数ミリ程度の切開を行い、インプラントを引き抜きます。傷跡は徐々に目立たなくなりますが、ピルやミレーナと比較すると、皮膚切開をともなう点はデメリットといえるでしょう。

3.性感染症予防の効果がない

低用量ピルやミレーナ同様、皮下インプラントには性感染症を予防する効果はありません。性感染症のリスクがある行為を行う場合は、コンドームなどを使用してください。

4.保険が適応されず費用が高い

皮下インプラントはまだ日本で承認されていないため、月経トラブルの改善を目的としていても、保険が適応されません。海外では保険が適応されるほか、一定の条件を満たしていれば無料で挿入ができる国も存在します。

5.体重増加のリスクがある

皮下インプラントに含まれる女性ホルモンの影響で、食欲増進やむくみが生じ、一時的に体重が増加する場合があります。これは、低用量ピルやその他のホルモン療法と同様、一部の方にのみ生じる副作用です。アメリカの研究によれば、皮下インプラント挿入後に体重が増加した場合でも、その重さは平均3ポンド(約1.3kg)以下でした。

6.一時的なニキビの悪化

皮下インプラントをはじめとした、ホルモンのバランスをコントロールする薬剤には、肌質を改善する効果がある一方で、一部の方に肌荒れやニキビの副作用が認められています。これは、放出されるホルモンによって皮膚に皮脂が蓄積し、ニキビの原因であるアクネ菌が発生するケースがあるためです。インプラント挿入中にニキビが発生する割合は患者様によって大きく異なるため、ご不安な方は診察時にご相談ください。

避妊インプラントの日本での相場費用は?

避妊インプラント(皮下インプラント)は、国内で実施しているクリニックや病院が少ないですが、おおよそ挿入の平均相場は15万~20万円程度です。また、除去にも別途費用がかかる場合が多く、1.5万~3万円を設定しているクリニックがほとんどです。

上野駅前婦人科クリニックは都内最安価格の局所麻酔代、挿入代併せて98,000円で実施しています。 当クリニックでは、避妊インプラントを挿入した方のアフターフォローも行っておりますので、ご不明点があればお気軽にご相談ください。

料金表

相談料 3,300円(税込)
避妊インプラント
局所麻酔代+挿入代
98,000円(税込)
笑気麻酔
※希望の方
15,000円(税込)
静脈麻酔
※希望の方
33,000円(税込)
自院抜去 15,000円(税込)
他院抜去 33,000円(税込)

※日本で承認された医薬品ではないため「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。

避妊インプラントの入れ方と取り出し方は?

避妊インプラント(皮下インプラント)は、その名前通り皮下に埋め込む避妊具です。以下では、あまり知られていない挿入と除去の方法について、くわしくご説明します。

避妊インプラントの挿入方法と流れ

診察
診察

診察にて、皮下インプラントについてくわしくご説明します。ご不明点や、ご不安な点がございましたら、遠慮なくご質問ください。

局所麻酔
局所麻酔

挿入を決めたら、挿入部分(二の腕の内側)を消毒して局所麻酔を行います。お痛みは、注射時のチクっとした痛みのみです。

挿入
挿入

先端に針のついた専用の器具で、挿入を行います。挿入は一瞬で終わり、局所麻酔が効いているためお痛みはありません。埋入直後は二の腕の内側に注射針の跡が小さく残りますが、縫合の必要はなく、徐々に目立たなくなります。また、数時間後や翌日に挿入部周辺に内出血が発生する場合がありますが、時間の経過とともに軽減します。

挿入に際しての注意点

皮下インプラントを挿入した側の腕は、美容施術(脂肪吸引やレーザー治療など)、血圧測定、予防接種が行えません。また、挿入部分に打撃などの強い衝撃が生じた場合、腕内部で皮下インプラント破損の可能性があるため、スポーツや運動の際にはご注意ください。実際に、ソフトボールや剣道などでの破損例も報告されています。

避妊インプラントの除去方法

診察
診察

診察にて、皮下インプラントが正しい位置にあるかを確認します。

局所麻酔
局所麻酔

除去部分を消毒して局所麻酔を行います。お痛みは、注射時のチクっとした痛みのみです。

除去
除去

皮膚を数ミリ切開し、皮下に挿入されたインプラントを除去します。除去は、鉗子(ハサミ状の、先の丸いピンセットのようなもの)でインプラントの先端を挟んで引き抜きます。

除去
再挿入もしくはアフターケア

継続して皮下インプラントを使用する場合は、取り出しの際の切開部もしくは、新しい場所から新しいインプラントを挿入します。

除去のみの場合は止血後に包帯を巻き、切開部分が治癒するまでそのままにしておきます。止血後、切開部を数針程度縫う場合がありますが、局所麻酔が効いているため痛みはありません。

皮下インプラントは、使用期限である3年が経過していなくても、好きなタイミングで除去できます。インプラント除去後は、最短1週間で身体が妊娠できる状態に戻ります。妊娠を望まない場合は、避妊を行いましょう。

上野駅前婦人科クリニックは、東京で避妊インプラントができるクリニックです

上野駅前婦人科クリニックは、18~40歳の方を対象とし東京で避妊インプラント(皮下インプラント)の挿入が行える数少ないクリニックです。

低用量ピルや避妊インプラント、ミレーナ(避妊リング)などによる避妊や月経トラブル改善のための選択肢の広がりは、女性の自分らしい生き方につながります。当クリニックでは、お一人おひとりのお悩みやご希望に寄り添い、最適な治療法をご提案いたします。

また、近年ご相談いただくことが増えている「他院で挿入した避妊インプラントの除去」も承っていますので、お気軽に医師にご相談ください。

診察のご予約はこちら

診療時間 10:00~19:00
※最終受付 初診18:00 再診18:10
※4月以降:土日祝9:00-18:00(最終受付 初診17:00 再診17:10)

避妊インプラントのよくある質問

避妊インプラントで生理を止めることはできますか?
A.避妊インプラントは、月経を止めるものではありません。ホルモンバランスの変化により、月経が止まる方がいらっしゃることは事実ですが、すべての方に当てはまるわけではなく、月経量が少なくなるだけのケースも多くあります。月経日のコントロールには、ピルの服用が有効です。当クリニックでもピルを取り扱っているため、ご検討中の方はお声がけください。
避妊インプラントの挿入に保険は適用されますか?
A.避妊目的でなく月経トラブルの改善を目的にした場合でも、日本での承認が降りていないため、保険適用にはなりません。日本では未承認薬ですが、アメリカやヨーロッパなど世界各国では多く使用されている、安全性の高い避妊方法です。
避妊インプラントの避妊率はどれくらいですか?
A.99%以上の避妊効果が3年続きます。3年が過ぎると避妊効果は期待できないため、除去タイミングを忘れないように、手帳やカレンダーアプリなどに記録しておきましょう。
避妊インプラントは、どこに入れますか?挿入の際に痛みはありますか?
A.一般的に、利き腕ではない方の二の腕(上腕三頭筋上)の皮下に挿入します。痛みは麻酔時の注射のみで、挿入の瞬間の痛みはありません。
授乳中でも避妊インプラントを使えますか?
A.出産から4週間が経過していれば、避妊インプラントを挿入できます。装着中の授乳が、乳児の成長や発育に悪影響を与えることはありません。
避妊インプラントの効果はいつから発揮されますか?
A.生理開始から5日以内にインプラントを挿入した場合は、その直後から避妊効果が現れます。それ以降に挿入を行った場合は1週間、コンドームなどを用いた避妊を併用してください。
韓国で入れた避妊インプラントを除去してもらえますか?
A.基本的には他院で挿入した避妊インプラントの除去も対応可能ですが、まずは診察にて挿入位置などを確認させていただきます。お気軽にご相談ください。
避妊インプラントは腕以外に入れることもできますか?
A.いいえ、避妊インプラントは二の腕(上腕三頭筋上)の皮下に入れることで効果を発揮する避妊具のため、挿入箇所は腕のみです。ご理解のほどお願いいたします。

News

お知らせ

  • 2024/4/18

    臨時休診は4月12日・4月29日・4月25日・5月11日です。

  • 2023/8/16

    避妊パッチ・避妊注射の取扱いを始めました。豊富な避妊方法をご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。

  • 2023/7/12

    避妊インプラントと、中絶手術の予約を開始しました。