ブライダルチェックは、妊娠・出産に悪い影響を与える疾患や感染症がないかどうかや、自分の健康状態を知るために受ける婦人科検診です。
ここでは、ブライダルチェックを受けるべきタイミングや費用・内容を、当クリニックで取り扱っている検査内容とともに説明します。
このページの監修医師
上野駅前婦人科クリニック 院長
杉浦由紀子
2011年東海大学医学部医学科卒業。日本産科婦人科学会専門医として、都立病院の産婦人科やレディースクリニックの経験を経て、2023年6月16日に上野駅前婦人科クリニックを新規開院。
目次
ブライダルチェックとは
ブライダルチェックは、将来妊娠・出産を検討されている方に向けた婦人科検診の一つです。当クリニックでは、5種類のブライダルチェックをご用意しております。いつまでに受けなくてはいけない、といった決まりはなく、結婚前や結婚後、婚活中など、さまざまなタイミングでお受けいただけます。
いつでも検査が可能なブライダルチェックですが、検査で性感染症や子宮・卵巣の疾患が発覚した場合は、妊活の前に治療を優先して行っていただきます。そのため、結婚後すぐに妊娠を検討している方は、結婚の3~4カ月前に検査をお受けいただくと、安心です。
性感染症や女性特有の疾患は、胎児への影響があるほか、不妊や流産のリスクが高まりますが、早期の発見と治療でほとんどの方が軽快します。
上野駅前婦人科クリニックは、産科婦人科専門医の医師が患者様お一人おひとりのお悩みに寄り添い、ライフスタイルに添った治療を行うレディースクリニックです。ブライダルチェックについてご不明な点がある方は、お気軽にご相談ください。
ブライダルチェックの費用と内容
ブライダルチェックの相場費用は、おおよそ1.5万円~3万円です。「同じブライダルチェックなら、安い方がお得」と感じるかもしれませんが、検査の内容や精度は医療機関によって異なります。安さを優先したために、必要な検査を受け損ねたなどの失敗がないよう、検査項目をきちんとチェックしましょう。
ブライダルチェックは病気やけがの治療を目的としていないため、当クリニックだけでなく、ほかのクリニックでも保険の適用外となっています。あらかじめご了承ください。
ブライダルチェック料金
ブライダルプレチェック プラン① 超音波検査、子宮頸がん検査、HPV遺伝子検査、淋菌/クラミジア検査(腟)、コンジローマチェック(視診)、貧血検査、糖尿病検査、甲状腺検査、HIV/梅毒/B型肝炎・C型肝炎検査 |
35,000円 |
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ブライダルプレチェック プラン② 超音波検査、子宮頸がん検査、淋菌/クラミジア検査(腟)、貧血検査、糖尿病検査、甲状腺検査 |
18,000円 |
プレ妊活ドック プラン① 超音波検査、子宮頸がん検査、HPV遺伝子検査、淋菌/クラミジア検査(腟)、貧血検査、糖尿病検査、甲状腺検査、風疹抗体検査 |
23,000円 |
プレ妊活ドック プラン② 超音波検査、子宮頸がん検査、HPV遺伝子検査、淋菌/クラミジア検査(腟)、貧血検査、糖尿病検査、甲状腺検査、風疹抗体検査、AMH検査(卵巣予備能検査) |
28,000円 |
レディースドック 超音波検査、子宮頸がん検査、HPV遺伝子検査、貧血検査、糖尿病検査、甲状腺検査、肝腎機能検査 |
18,000円 |
※レディースドックは、性交経験がない方用のプランもございます。
オプション料金
麻疹抗体検査 (はしか) |
2,200円(税込) |
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風疹抗体検査 | 2,200円(税込) |
ムンプス抗体検査 (おたふくかぜ) |
2,200円(税込) |
水痘抗体 (水ぼうそう) |
2,200円(税込) |
トキソプラズマ | 2,200円(税込) |
サイトメガロウイルス | 2,200円(税込) |
血液・Rho型 | 2,200円(税込) |
ホルモン値 LH・FSH・E2・ プロゲステロン・ テストステロン |
5,500円(税込) |
AMH検査 (卵巣予備能検査) |
7,700円(税込) |
STDセット HIV・梅毒・ HBV・HCV |
16,500円(税込) |
HPVタイピング検査 | 22,000円(税込) |
CA125 | 2,200円(税込) |
HTLV-1 | 2,200円(税込) |
ブライダルチェックは
このような方におすすめです
下記に当てはまる方は、上野駅前婦人科クリニックにお気軽にご相談ください。
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01妊娠・出産を予定している
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02妊娠・出産に影響する疾患がないか気になる
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03婦人科専門医に相談したい
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04定期的に自分の身体の状態を知りたい
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05平日は忙しいので日曜日に検査を受けたい
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06健康診断を兼ねた検査を受けたい
ブライダルチェックの内容一覧
当クリニックのブライダルチェックでは、大きく分けて9項目の検査を行います
内診・超音波検査 |
外陰部や膣内、子宮・卵巣の状態や大きさを調べます。検査では、子宮内膜症や子宮筋腫の有無が分かるほか、内性器の発育状態も把握できます。内診の際に緊張で身体に力が入っていると、痛みを強く感じやすいため、できるだけリラックスした状態で受診しましょう。 なお、内診台に上がることに抵抗感のある方は、ベッドに横になって診察を受けることも可能です。ご希望の場合は、お気軽にお申し出ください。 |
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血液検査 | 採血を行い、貧血・糖尿病・肝機能・腎機能・脂質が正常値であるかを診断します。血液は健康のバロメーターであり、妊娠した際も胎児は母体の血液から栄養と酸素をもらって成長します。そのため、血液検査は、母体だけでなく胎児のためにも大事な検査です。 |
HIV検査 | エイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染していないかどうかを調べます。妊娠時に感染していると、胎児の免疫機能が低下して病気に罹りやすくなるだけでなく、貧血や脳障害を引き起こします。感染が判明しても、適切な対策を行えば胎児への感染率は0.5~1%と最小限に留められるため、妊娠前~初期の検査が大切です。 |
クラミジア感染症検査(性器・咽頭) | 膣内の分泌物を検査し、「クラミジア・トラコマティス」という病原菌の有無をチェックします。クラミジアは日本でもっとも感染者数が多い性感染症で、感染を放置していると子宮外妊娠や不妊の原因になるほか、出産時に新生児に感染すると結膜炎や肺炎の原因になります。無症状感染であることが多く、ブライダルチェックで感染が発覚する方も少なくありません。 |
淋病検査(性器・咽頭) | 膣内の分泌物を検査し、淋菌感染の有無をチェックします。淋菌は、性行為1回で約30%の感染確率があるといわれており、感染を放置すると男女ともに不妊症の原因になります。感染したまま出産をすると、新生児の命にかかわる炎症につながる可能性もあります。クラミジアと同時感染するケースも多いため、両方の検査をおすすめしています。 |
梅毒検査 | 梅毒は感染後に全身にさまざまな症状が現れ、放置すると脳や心臓に重大な合併症を引き起こす性感染症です。「過去の病気」と思われがちですが、現在は増加傾向にあり、厚生労働省も注意喚起を発しています。妊婦が感染すると胎盤を通じて胎児に感染し、先天梅毒や早産・死産の原因になります。 |
おりもの検査 | クラミジア感染症、淋病以外の感染症や疾患・炎症を調べます。おりものには、膣内の衛生状態を保ち、細菌が膣を通して身体に入ってくるのを防ぐ役割があります。不妊・流産・出産時の母子感染リスクを最小限にするために、感染症の単体検査だけでなく、おりものの総合的な検査を推奨しています。 |
風疹抗体価検査 | 風疹(ふうしん)ウイルスに対する免疫の有無を調べます。風疹のワクチンを子どもの頃に打っている方も多いですが、世代によって受けている回数が違うほか、免疫効果が終生継続する可能性は低いため、抗体について再度検査が必要です。妊娠初期に風疹にかかると、胎児に感染し、目や耳、心臓などに先天性の障害が生じる可能性があります。 |
肝炎検査 | 肝炎ウイルスは肝臓病を引き起こし、肝硬変や肝臓がんを発症させます。複数種のウイルス型がありますが、中でもB型・C型は慢性肝炎になるケースが多いため、事前の検査が重要です。母体から胎児に感染すると、ウイルスキャリア(ウイルスに感染した状態が持続する)ほか、乳児期に重症の肝炎を起こすことがあります。 |
ブライダルチェックの
オプションについて
上野駅前婦人科クリニックでは、患者様のご要望にお応えするため、セット検査に加えてオプション検査を設定しています。
卵子がどの程度残っているかを推測する「AMH検査」や、精子の動きを止めて妊娠を妨げてしまう「精子不動化抗体」があるかどうかなど、幅広い検査を取り揃えています。気になる項目がある方は、お気軽に当クリニックにご相談ください。
子宮頸部細胞診 | 子宮の入り口を擦って細胞を採取し、検体から子宮頸がんに罹患しているかを調べます。子宮頸がんは女性のがんの中でも罹患数が多いがんで、妊娠中にがんが見つかった場合は、妊娠継続を諦めなければならないケースがあります。そのため、妊娠前の早期発見が大切です。 |
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HPVタイピング検査 (ジェノタイピング) |
がんの原因となるウイルスHPV(ヒトパピローマウイルス)を調べ、罹患している場合はどのタイプに感染しているかを突き止めます。細胞が採取しにくい部分のがんも検出できるため、子宮頸部細胞診と合わせて検査を行うことで、高い確率での異常発見が可能です。 |
トキソプラズマ抗体・サイトメガロウイルス抗体・HTLV-1ウイルス検査 | 目に見えない寄生虫やウイルスによる感染症は、感染しても無症状であったり、風邪に似た症状が出たりするのみなため、重症化の心配はありません。ですが、妊娠中に母体が感染した場合は、胎児に先天性の障害を引き起こすだけでなく、重症化すると流産や死産につながる可能性もあります。 |
AMH検査 (卵巣予備能検査) |
血液中のAMH値を図り、卵巣内に残っている卵子のおおよその数を調べます。AMHは卵胞から分泌されるホルモンで、高ければ高いほど卵子の残数が多いといえます。反対に、AMHの数値が低いと、自然排卵しにくい可能性や、排卵誘発した場合に十分な反応が見込めない可能性があります。 卵子の残数を知ることで、今後の妊娠・出産のタイミングを考えたり、チャンスを知るきっかけになります。 |
血液型 | ABOやRhの型や、持っている抗体を調べます。不規則抗体が認められた際は、母体に輸血が必要になった場合に、抗体が反応しない赤血球を探す必要があるほか、胎児に胎盤を通して抗体が入ると、新生児貧血や黄疸を生じることもあります。 |
麻疹ウイルス抗体 | 麻疹(ましん)は麻疹ウイルスによって起こり、空気感染、飛沫感染、接触感染によって広がる、非常に感染力が強いウイルスとして知られています。妊娠中に麻疹にかかると、重症化しやすく肺炎・脳炎などを起こす可能性があります。さらに、胎児奇形などへの影響は少ないとされているものの、流産・早産の危険性が高まります。 |
ホルモン検査 | 妊娠に重要な複数のホルモンの値を検査し、卵胞や排卵、黄体機能などを調べます。月経不順や心身のストレスが強い方は、ホルモン分泌の異常が起こっている可能性があるため、女性特有の不調や悩みを知るためにも行われることが多い検査です。 |
ワクチン接種について
風疹・麻疹、ムンプス(おたふくかぜ)の抗体を検査し、抗体が認められない場合はワクチンを接種して免疫を獲得する必要があります。
ワクチンは妊娠していない時期に接種し、その後2カ月間の避妊をすることが推奨されています。これは、ワクチンに含まれる細菌やウイルスの病原性が胎児に影響を与える可能性があるためです。
ワクチン接種に関してご不明点がある方は、上野駅前婦人科クリニックにご相談ください。
セルフでできるブライダルチェック
妊娠のためには、自分の月経や排卵の周期を知って、妊娠しやすい時期に性交渉を行うことが大切です。その手がかりの一つが「基礎体温」であり、専用の体温計を使えば自宅で気軽に記録ができます。
2~3カ月分の基礎体温を記録した表をお持ちいただくと、患者様のだいたいの身体のリズムを可視化でき、妊娠を希望されている場合は、具体的な性交渉タイミングのアドバイスも可能です(状況によっては、不妊治療を専門とする医療機関への受診をお勧めする場合があります)。
直近で妊娠を希望されていない場合も、基礎体温の変化で病気の早期発見につながる可能性があります。もちろん、基礎体温を記録していなくてもブライダルチェックは行なえますのでご安心ください。
男性のブライダルチェックとは?
妊娠への正しい知識と理解が広まり、最近ではブライダルチェックを受ける男性が増えています。上野婦人科クリニックはレディースクリニックのため、男性向けのブライダルチェックを行っておりませんが、取り扱いのあるクリニックでは主に「精子検査」と「感染症検査」を行います。
女性と同じく、妊活を考えている方のほか、二人目がなかなかできない方、過去の病気や怪我で精子の状態に不安がある方など、セルフチェック代わりにも受けていただけます。
男性向けのブライダルチェックは、泌尿器科、男性専門クリニック、性病科等で行っています。ご検討中の方は、お近くの対象医療機関にお問い合わせください。
ペアのブライダルチェックは必要ない?
女性だけ、もしくは男性だけがブライダルチェックを受けた場合よりも、カップルでブライダルチェックを受けた方が、最小限のリスクで妊娠・出産ができます。
特に、性感染症は無症状のまま感染しているケースが多く、妊活中にパートナーにうつしてしまい、胎児に影響を与える可能性も少なくありません。
検査で異常がなかった場合は安心を共有でき、異常が見つかった場合は早期の治療によって、不安なく妊活が行なえます。妊娠・出産の予定がある場合は、同じタイミングでブライダルチェックを受け、安心して妊活を行いましょう。
ブライダルチェックに関する
よくあるご質問
- ブライダルチェックは結婚前の検査ですか?いつでも受けられますか?
- A.ブライダルチェックは、結婚前・結婚後に関わらず、妊娠を希望される方、お身体の状態を知りたい方であれば、どのタイミングでもお受けいただけます。早めに検診を受けることで、もし疾患が発見されたとしても、迅速な治療の開始が可能です。
- 男性も一緒にブライダルチェックを受けられますか?
- A.申し訳ございません。上野婦人科クリニックはレディースクリニックのため、男性のブライダルチェックは行っておりません。取り扱いのある泌尿器科、男性専門クリニック、性病科等にお問い合わせください。
- ブライダルチェックの注意事項はありますか?
- A.ブライダルチェックの注意点は以下の通りです。お食事や喫煙に関しては次の質問をご参照ください。
・月経中は細胞の摂取が十分にできないため、検査をお控えください。
・内診台での検査のため、脱ぎ着しやすい服装でご来院ください。陰部の脱毛や剃毛は不要です。
・採血のため、肘が出しやすい服装でご来院ください。
- ブライダルチェック前日の飲食・飲酒制限はありますか?
- A.より正確な検査のため、前日の暴飲暴食および飲酒は避け、検査の12時間前からお食事や糖質・脂質などを含むお飲み物をお控えください。また、喫煙者の方は血液検査に影響を及ぼす可能性があるため、加熱式たばこも含め、前日から禁煙をお願いしています。喫煙および受動喫煙は、妊活や妊娠に大きな影響を与えるため、妊娠を希望されている方・そのパートナーの方には継続的な禁煙をおすすめしております。
- 治療中の病気や服用している薬があっても、ブライダルチェックを受けられますか?
- A.診察の上で可否を決定いたしますが、特別な場合を除いて、ブライダルチェック自体はお受けいただけます。しかし、服用中のお薬やサプリメントが検査結果に影響を与える可能性があるため、受診の際にはお薬手帳をご持参ください。
- ブライダルチェックの検査結果は来院しないと聞けませんか?
- A.当クリニックでは、オンラインで検査結果をご確認いただけます。結果が出次第、問診票に記載していただくメールアドレス宛に、URLを載せたメールをお送りします。お忙しい方も、ぜひお気軽にご相談ください。
News
お知らせ
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2024/11/21
臨時休診は12月31日・1月1日・1月2日・1月3日・1月4日です。
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2024/10/8
現在シルガード9(HPVワクチン)の供給が不安定なため、新規接種のご予約を制限しております。当クリニックでシルガード9の接種歴がある方はご予約いただけますが、日程調整をさせていただく場合があります。
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2023/8/16
避妊パッチ・避妊注射の取扱いを始めました。豊富な避妊方法をご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
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2023/7/12
避妊インプラントと、中絶手術の予約を開始しました。