避妊にはさまざまな方法があり、低用量ピル、ミニピル、ミレーナ(IUS)、避妊インプラント、避妊パッチなどが挙げられます。上野駅前婦人科クリニックは、患者様のライフスタイルやニーズに合わせて選べる豊富な避妊方法の一つとして、避妊注射をご用意いたしました。
ここでは、避妊注射の概要からその他の避妊方法との比較表一覧、効果、副作用、メリット・デメリットなど、くわしく解説しています。
このページの監修医師
上野駅前婦人科クリニック 院長
杉浦由紀子
2011年東海大学医学部医学科卒業。日本産科婦人科学会専門医として、都立病院の産婦人科やレディースクリニックの経験を経て、2023年6月16日に上野駅前婦人科クリニックを新規開院。
目次
避妊注射とは?
避妊注射とは、3カ月に1回注射をすることで安全な避妊を可能にする避妊方法の一つです。避妊率は99.7%と高く、低用量ピルやミレーナなどと比較しても遜色ない高い効果が得られます。
デポプロベラについて
避妊注射の薬剤であるデポプロベラは、女性ホルモンの一つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)を化学的に合成したホルモンであるプロゲスチン=メドロキシプロゲステロン酢酸エステルが有効成分です。排卵を抑制したり、受精を阻止したりして、妊娠を防ぎます。
黄体ホルモンの単剤製剤のため、血栓症リスクがある方でも使用することが可能です。3カ月に1回注射をするだけの避妊方法で、非常に高い避妊効果が得られます。
上野駅前婦人科クリニックの避妊注射の料金
上野駅前婦人科クリニックの避妊注射の費用は下記です。日本では、まだ厚生労働省による承認が降りていない薬剤のため、避妊目的に関わらず、全て自費診療となります。海外ではその安全性が認められている薬剤ですが、日本では未認可のため、そもそも取り扱いをしている医療機関が少ないのが現状です。
初回説明料 | 3,300円 |
---|---|
避妊注射 | 9,900円 |
- ※費用は税込みです。
- ※日本で承認された医薬品ではないため「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。
アメリカなど世界の避妊注射と日本の現状
避妊注射は海外100カ国以上で広く承認されており、安全性も認められていますが、日本では未認可の薬剤です。日本は避妊後進国と呼ばれており、今後はさまざまな避妊の選択肢が増えることが想定されています。避妊注射もその選択肢の一つとして、注目されています。
上野駅前婦人科クリニックは、患者様の生活の質の向上(QOLの向上)を目指すため、多くの避妊方法をご提案する医療機関です。患者様の幅広いニーズ、ライフスタイルに合わせ最適な避妊方法を安心・安全にご提供いたします。避妊についてくわしく知りたい、自分にあった避妊方法を実践したいとご検討中の患者様は、お気軽に当クリニックにご相談ください。
避妊方法一覧
避妊方法というと日本では、コンドームが一般的です。しかし、コンドームは男性の協力が不可欠で、避妊率もそこまで高いわけではありません。以下では、避妊方法の避妊率、方法、特徴などをまとめているので、参考にしてください。
ピル 経口避妊薬 |
ミレーナ (避妊リング/IUS/IUD) |
避妊注射 | 避妊インプラント | 避妊パッチ | アフターピル 緊急避妊薬 |
コンドーム | 不妊手術 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
避妊率 | 99.4%※1 | 99.8% | 99.7% | 99%以上 | 99%以上※2 | 性交後の時間経過に よって異なる |
98%※3(85%※4) | 99.5% |
方法 | 薬剤の内服 | 月経期間中に医師が 子宮内に挿入 |
医療従事者による注射 | 二の腕の内側に 医師が挿入 |
皮膚に貼る (下腹、お尻など) |
薬剤の内服 | 男性の陰茎に薄いゴム (ラテックス)を装着 |
女性は、卵管を縛る、 卵管を摘出する手術 |
特徴 | 1日1錠を内服 ※女性主導では、日本で もっとも一般的な方法 |
最長5年間効果が持続 | 3カ月に1度の接種 | 最長3年間効果が持続 | 1週間に1度貼り替える | 唯一性交後に行える 避妊方法 |
男性主導の避妊方法 (もっとも手軽に手に入る・ 性感染症が防げる) |
一度手術すれば、 効果がずっと持続する |
取扱い有無 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ✕ | ✕ |
- ※1.理想的な内服方法を守った場合の避妊率
- ※2.剥がれずに、理想的な装着だった場合の避妊率
- ※3.理想的に使用した場合の避妊率
- ※4.一般的な使用方法の場合の避妊率
上野駅前婦人科クリニックの避妊について
上野駅前婦人科クリニックは、望まぬ妊娠を防ぎ、患者様が日々を健康に過ごせるよう、特に避妊に力を入れている医療機関です。
当クリニックは低用量ピル、ミニピル、アフターピル、ミレーナ、避妊パッチ、避妊インプラント、そして避妊注射といった数多くの避妊方法をご用意しております。患者様のライフスタイル、ライフステージに合わせてもっとも適した方法をご提案・処方することで、女性の皆様が安心してより良い生活できるようサポートさせていただきます。避妊のことでしたら、当クリニックにお任せください。
避妊方法の選び方
一覧表でご紹介した通り、避妊方法にはさまざまなものがあります。しかし、それぞれ避妊率、方法、特徴があり、メリット・デメリットも存在します。
そこで大切なのは、避妊方法がどれだけご自身のご希望と体質にあっているかということです。避妊を安全に行うためには、きちんと継続できて、お身体に負担をかけない方法でなければなりません。ですが、実際問題として、その方法をご自身で決めるのは、難しいといえるでしょう。
「どんな避妊法があるの?」「自分の体質にあった避妊法を探している」など、避妊に関するお悩み・疑問がある方は、女性の避妊に注力している上野駅前婦人科クリニックに、お気軽にご相談ください。
避妊注射の方法と診療の流れ
避妊注射の方法は、3カ月に1回の筋肉注射または皮下注射です。上野駅前婦人科クリニックでは、上腕にある太く大きな筋肉(上腕三頭筋)に注射するため、筋肉注射になります。
注射を行うスケジュールは、月経初日から5日目までです。人工妊娠中絶手術後、または流産後の方の場合は、処置後5日以内に行います。産後の方は、授乳をしていなければ、5日後以降に可能です。授乳中であれば、6カ月以降に行えます。
当クリニックでは、避妊注射接種から12週0日から13週までの間に次回接種を実施しており、この間隔が13週以上になった場合は、必ず妊娠の有無を確かめます。
ご予約から注射までの流れ
初診の方
- 01.ご予約
- 02.ご来院
- 03.問診票ご記入
- 04.医師による診察
- 05.避妊注射施行
- 06.お会計
初診の方や初めて避妊注射を受けられる方の場合、必ず医師による診察と避妊注射が適応になるのかなどの確認、注意事項などの説明を受けていただきます。そこで適応と診察され、避妊注射が処方された場合は、注射の接種を行います。
月経初日から5日目までであれば、その日の内に接種可能です。それ以外の方は、後日ご来院いただき、注射のみお受けいただくことになります。
なお、避妊注射の適応は18~45歳となっており、45歳以上の方は慎重投与となるため、当クリニック医師にご相談ください。
2回目以降の方
- 01.ご予約
- 02.ご来院
- 03.看護師による体調などの問診+血圧測定
- 04.避妊注射施行
- 05.お会計
避妊注射2回目以降の方は、看護師による問診の後に、注射施行となります。ご予約の際は、月経初日から5日目までのご来院となるようスケジューリングしていただくようお願いいたします。
避妊注射の効果
避妊注射の効果は、妊娠成立の阻害です。有効成分であるメドロキシプロゲステロン酢酸エステルの排卵抑制作用を主作用として、子宮内膜変化による着床阻害作用、そして子宮頸管粘液の変化による精子通過性阻害による避妊効果が得られます。これは、受精卵を作らせない、着床させないことになり、結果として妊娠が成立しないため、高い避妊確率につながります。
避妊注射の副作用
避妊注射の副作用には、下記が挙げられます。
主な副作用 | 頭痛、腹痛・腹部違和感、体重増加めまい、不正出血、月経不順 など |
---|---|
重症な副作用 | 骨粗鬆症 など |
避妊注射のメリット・デメリット
避妊注射のメリットとデメリットを正しく理解していきましょう。
メリット
- ・99.7%もの高い避妊効果がある
- ・毎日内服しなくても良く、わずらわしさがない
- ・3カ月に1回の注射で済む
- ・子宮内膜症、月経痛の緩和
- ・経血量の減少
- ・子宮体がん、骨盤内炎症性疾患リスクの低下
- ・鉄欠乏性貧血の緩和
- ・高血圧や血栓症のリスクを高めない など
デメリット
- ・副作用が起こる可能性がある
- ・妊娠を望んでも、薬剤の効果が切れるまで妊娠できない(半年から1年ほど)
- ・継続は最長2年までとし、その後は他の避妊法を選択せねばならない など
避妊注射の5つの注意点
避妊注射には、いくつか守らねばならない注意事項があります。それが下記の5項目です。
- 1.処方できる期間は最長2年まで
- 2.すぐに妊娠がしたい方は不向き
- 3.注射の間隔が13週以上で妊娠の可能性がある
- 4.1年に1回の定期採血が必要
- 5.併用すると避妊効果が下がる薬剤・サプリがある
どのような避妊方法にも注意点はありますが、安心・安全に避妊を行うためにも、ぜひ、守っていただかなければなりません。一つずつ見ていきましょう。
1.処方できる期間は最長2年まで
避妊注射には、骨粗鬆症のリスクが認められているため、処方が可能な投与期間は、最長2年までです。それ以降は、他の避妊方法を検討、実施する必要があります。
上野駅前婦人科クリニックは2年が過ぎたら、別の方法の避妊法をご提案させていただきますので、どうぞご安心ください。
2.すぐに妊娠がしたい方は不向き
避妊注射は、接種を受けたからと言って不妊症になることはありません。しかし、女性の妊孕性(にんようせい/妊娠するために必要な能力のこと)の回復が、他の避妊法に比べてゆっくりであるケースが多くなっています。
妊孕性の回復には個人差がありますが、低用量ピルやミニピルなどと比べて、妊娠が可能になるまでの期間が長くかかる可能性が高いです。そのため、「避妊をしないで、すぐに赤ちゃんが欲しい」と考えている方には、不向きな避妊方法といえるでしょう。
3.注射の間隔が13週以上で妊娠の可能性がある
妊孕性の回復までに時間を要するものの、妊娠する可能性もゼロではありません。注射の間隔が13週以上空いてしまうと、妊娠する可能性があります。
そのため、上野駅前婦人科クリニックでは、避妊注射の接種間隔を12週0日~13週0日までとし、13週を超えた場合には、必ず妊娠の有無を確認しております。避妊注射を継続して接種している方は、接種間隔にご注意ください。
4.1年に1回の定期採血が必要
安全性が高い注射であっても、継続して使用する際には、血液検査などで定期的な検診をする必要があります。上野駅前婦人科クリニックでは、低用量ピルなどでも定期検査を行っており、避妊注射も例外ではありません。
定期血液検査では、肝機能や脂質代謝異常、貧血がないかなど、全身状態の確認を行います。なお、血液検査は、他院で受けられた健康診断や献血の際の結果を持参いただいても構いません。
5.併用すると避妊効果が下がる薬剤・サプリがある
避妊注射には、基本的に併用してはいけない薬剤はありませんが、一部のお薬で避妊効果が低下してしまう恐れがあります。内服中のお薬がある方は、必ずご相談ください。
- ■併用注意のお薬
- ・抗菌薬、抗生物質
- ・抗てんかん薬
- ・ハーブ系のサプリメント(セイヨウオトギリソウ/セントジョーンズワート)など
上野駅前婦人科クリニックは避妊注射が可能な医療機関です
上野駅前婦人科クリニックは、避妊注射が処方可能な数少ないレディースクリニックです。「ピルを毎日飲むのは忘れそうで怖い」「身体に異物を挿入するのは抵抗がある」など、ピルやミレーナ、インプラントでの避妊に不安がある方には、おすすめの避妊方法といえるでしょう。避妊でお困りだったり、疑問があったりする方は、避妊に力を入れている当クリニックにお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
- 避妊注射は痛いですか?
- A.ワクチンの予防接種などの筋肉注射と同程度の痛みです。痛みの感じ方には個人差があり、一概にはいえませんが、特別痛みが強い注射ではありませんので、ご安心ください。
- 避妊注射をしたら、不妊症になりますか?
- A.いいえ。避妊注射をしても、不妊症になることはありません。ただし、薬剤の効果が切れ、妊娠するようになるには、半年から1年ほどを要します。つまり、すぐに妊娠を希望する方には不向きな避妊方法であり、妊娠を直ちにご希望になる患者様にはおすすめできません。くわしくは、こちらをご参照ください。
- 避妊注射をしてから14週間経過してしまいました。妊娠の可能性はありますか?
- A.あります。前回の注射接種から13週以上経過している場合には、妊娠する可能性があるためです。ご不安がある方は、妊娠検査薬などで確認するか、上野駅前婦人科クリニックにご来院ください。再度、避妊注射をご希望になる方は、必ず妊娠の有無を確認いたします。
- 16歳です。避妊注射はできますか?
- A.いいえ、上野駅前婦人科クリニックの避妊注射は18歳から適応となります。低用量ピルなら初経から適応になるため、一度当クリニックにご相談ください。
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